遠江国から駿河国へ、初夏の旅日記(遠江編)

5月末の土日、天気予報で晴れを確認して、静岡方面へ旅行してきました。

静岡県では伊豆半島や富士山周辺、三島には何度も旅行しているのですが、

三島から西のほうは距離があるため、旅行では行ったことがありませんでした。

 

最近、徳川家康がブームとなり、家康を祭る東照宮は日光だけでなく、

全国にたくさんあることを知りました。

『秘録』にもいくつか紹介していますが、

その中でも創祀となる「久能山東照宮」に興味をもち、

一度拝観してみたいと思ったのです。

 

そして、私がまだ行ったことのない「事任(ことのまま)八幡宮」!

何度も講座でお世話になっている「コトノマチヒメノ大神さま」に、

ごあいさつと御礼を申し上げたいと思いました。

 

今回は車では遠くなるので、往復新幹線と、現地でレンタカーでの移動としました。

土曜日午前、東京駅から「こだま」で掛川に向かいます。

 

東京駅ではあまりの人の多さにいきなり疲れました…(-_-;)。

外国人もかなり多かったです。

 

12時半に掛川に到着し、レンタカーで事任八幡宮へ向かいました。

遠江国一の宮・事任八幡宮は掛川市八坂に鎮座し、まわりはのどかな田園地帯です。

事任八幡宮(静岡県掛川市)と大クスのご神木
事任八幡宮(静岡県掛川市)と大クスのご神木

 

主祭神はコトノマチヒメノ命さまで、

ほか応神天皇、神功皇后、タマヨリヒメノ命さま、

境内末社の五社神社、金刀比羅神社など多くの神々をお祭りしています。

 

コトノマチヒメノ大神さまは言霊(ことだま)実現のご神徳があり、

願望実現講座などでたびたびご来臨いただき、御力をくださいました。

 

言霊の神である興台産(こことむすびの)大神さまの后神であり、

春日大社のアメノコヤネノ大神さまの母神になります。

 

由緒では、「真を知る神、言の葉で事を取り結ぶ働きをもたれる神様として、

また、言の葉を通して世の人々に加護を賜う『ことよさし』の神として敬われています。

天と地と人を結ぶ、とても大切なお働きをなさる神様です」とあります。

 

山田の話です。

「コトノマチとは“言乃真智”です。

言霊の神であり、叡智のソフィア(真智)の女神になります。

 

『願い事のままにかなえてくださる神』としての神威のためか、

コトノマチヒメノ命は表舞台から遠ざけられたといわれています。

一種の隠れ神になったわけです。

平成になって、ようやく主祭神に復帰しました」

 

境内に入ってまず目に入るのは、大きなクスのご神木です。

太い枝が大きく横に伸びて、その力強さに圧倒されます。

境内のあちこちに巨木が何本もあり、それぞれが神宿るご神木になっています。

 

社殿は古いのですが、歴史を感じさせる神さびた雰囲気でとても味わいがあります。

拝殿前で参拝すると、ちょうど神職さんの祝詞が始まりました。

 

拝殿から右手に回ると、裏手に杉のご神木がまっすぐにそびえています。

こちらのご神木も大きくてすばらしいのです。

こんなに大きな、まっすぐな杉はなかなかないのではと思います。

 

神社の背後はご神体山として禁足地になっています。

長い歴史の中で大切に祭祀を行ってきたことが感じられます。

豊かな森と巨木のご神木の境内にいると、とても気持ちがいいものです。

 

事任八幡宮は主祭神が女神さまで、タマヨリヒメノ大神さまもおられるので、

女神さまの聖地であり、やさしい雰囲気があります。

事任八幡宮裏手の杉のご神木
事任八幡宮裏手の杉のご神木

 

事任八幡宮は成務天皇(在位131~190年)の御代にはすでにあったとの伝承ですから、

1900年?くらいの古さになります。

『枕草子』にも、「ことのまま明神いとたのもし」と出てきます。

平安時代からその神威が都まで知れ渡っていたわけです。

 

それほど力のある神さまが早い段階から神業に加わり、御力をくださっていたわけです。

とてもありがたいことです。

 

近年は「願い事がかなう」パワースポットとして人気が出て、

参拝客が遠方からも大勢来ています。

山田が初めて神業に来た頃よりも、だいぶご開運が進んでいるとの話です。

 

次に、粟ヶ岳(あわがたけ)に行きました。

粟ヶ岳山頂に「阿波々(あわわ)神社」があります。

山頂まで車で行けること、山頂からの眺望がすばらしく、

ハイキング客も多い山とのことなので、私が行きたいと希望したのです。

(山田は山道の運転がたいへんだからと渋っていましたが…)

 

粟ヶ岳は事任八幡宮から車で40分くらいかかります。

向かっていると前方に、山頂に電波塔が何本か立っている山が見えてきました。

それが粟ヶ岳です。

 

標高532メートルの山で、ゆるやかな低山に囲まれた掛川ではとがった感じの山です。

山腹にヒノキで「茶」の文字が描かれていることで、茶処のシンボルとして有名だそうです。

 

上に行くほど山道が細くなり、カーブも多く、対向車とのすれ違いにヒヤヒヤします。

(運転に不慣れな人や大きな車はお勧めできません)

 

山頂に着くと、駿河湾や掛川市内、茶畑の台地が一望できる絶景が広がります。

さすがにお茶の大産地で、周辺の山々の上のほうまでよく手入れされた茶畑が広がっています。

 

駐車場から左手に阿波々神社への参道があり、右手には電波塔への階段があります。

細い参道を進んでいくと、心臓破りの超急坂になり、

数分の距離ですが息があがってとてもたいへんでした。

(電波塔側から行くことをお勧めします…(^^;)

 

阿波々神社は山の上にありながら、きちんと手入れされ、神威を感じる神社です。

参拝客もそれなりに多いようで、お守りなどの販売や御朱印もいただけます。

 

祭神は阿波比売(あわひめの)命で、

ほかスサノオノ尊、クシイナダヒメノ命を八重垣神社に祭ります。

阿波々神社の創建は736年で、延喜式内社ですから格式高い神社です。

 

登山道の終点付近に巨岩の磐座(いわくら)群があり、

古代祭祀の場所だったことがわかります。

うっそうとした自然林が広がり、天然記念物に指定されています。

粟ヶ岳山頂に鎮座する阿波々神社
粟ヶ岳山頂に鎮座する阿波々神社

 

阿波比売命というお名前はあまり聞きませんが、

八重事代主命の后神になるそうです。

静岡では三嶋大社に事代主大神さまがおられるので、地域的に縁深いのだと思います。

 

また、別名・天津羽羽神(あまつははのかみ)といい、

天の岩戸を神格化した天石門別神(あまのいわとわけのかみ)が父神になります。

天石門別神は忌部氏の祖神になります。

 

コトノマチヒメノ命、阿波比売命に関する“秘事”は、

山田がいずれ『秘録』で詳しく解説するそうです。

 

参拝を終えて、電波塔の方へわき道を進んでいくと、

モダンな山頂テラスや休憩所、展望台があります。

売店で買った掛川茶の缶茶がとても美味しかったです。

 

れから山を下り、掛川市街に戻りました。

最後に掛川のシンボルである掛川城を見学しました。

天主閣からの360度の眺めが素晴らしかったです。

 

遠くに、さっきまで登っていた粟ヶ岳も見え、

「あそこに登ってきたんだなあ」としみじみします。

 

掛川の町は掛川城を中心にデザインやカラーが統一され、落ち着いたたたずまいです。

 

この日は中心街にある温泉ホテルに宿泊しました。

直前の予約で、残り1室でとれたドーミーイン、

お部屋も温泉も食事もベリーグッドでした!

 

(駿河国編へ続く)

掛川城から粟ヶ岳(中央の山)をのぞむ
掛川城から粟ヶ岳(中央の山)をのぞむ