遠江国から駿河国へ、初夏の旅日記(駿河国編その2)

  

その1からの続きです。

久能山東照宮参拝後、次は天女伝説で有名な「三保の松原」に向かいます。

日本平と同じ清水区内で、15分ほどの距離にあります。

 

車で向かっていると、遠くの雲の上に日本画のような富士山が浮かんで見えてきます。

その美しさと雄大さ、ふだん見慣れないアングルにテンションが上がります。

 

※三保の松原はユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産に登録されています。

 

まず、駿河国三ノ宮・御穂(みほ)神社に参拝しました。

 

御穂神社のご祭神はオオナムチノ命(ミホツヒコノ命)とミホツヒメノ命です。

社伝によれば、

「大国主命が国譲りをした際、天照大神は大国主命に二心のないことを喜び、

タカミムスビノ尊の娘の中でもっとも美しいミホツヒメノ命を后にさせた。

 

そこで大国主命はミホツヒコノ命と名をあらため、

ミホツヒメノ命とともに羽車に乗って三保の浦に降臨し、鎮座した。

 

その後、景行天皇の御世、ヤマトタケルノ尊が勅を奉じて駿河国三ノ宮に定めた」

 

摂社・末社には、事代主命、少彦名命、高皇産霊命、神皇産霊命、スサノオノ尊など、

錚々たる神々さまがおられます。

 

その中に「呉服之神社」というのがあって、

機織りの神である長白羽(ながしらはの)命を祭っているところが、羽衣の聖地という感じです。

 

長白羽神は麻を育てて、伊勢神宮に奉納する荒妙(あらたえ)を織った神麻続部(かんおみべ)の祖神ということです。

『秘録』82号に、栃木県の足利織姫神社が出てきますが、それに関係しています。

 

御穂神社の鳥居から三保の松原の浜に向かって、まっすぐな「神の道」が伸びています。

海のかなたの常世(とこよ)の国から来られる神をお迎えするという、

常世信仰の形態になっているということです。

天女が羽衣をかけたという伝承の羽衣の松
天女が羽衣をかけたという伝承の羽衣の松

 

その先に降臨の聖地「羽衣の松」と、浜辺に羽車(はぐるま)神社が鎮座しています。

浜に降臨されて、この神の道を通って御穂神社に鎮座されたという伝承です。

 

羽車に乗って降臨されたということですが、

羽車というのは「鳳輦(ほうれん)」のことですね。

天女神族の降臨ですから、鳳凰さま方も舞い降りられたはずです。

 

ミホツヒメのミホというのは「ムー」に通じるという話がありました。

海のかなたのムーから来られたのかもしれません。

 

山田の話です。

「三穂津姫大神さまは北辰出身の天女神族であり、

光のミロクとしてムーに降臨しました。

ムー滅亡後、日本に再降臨しました。

 

常世(とこよ)とは地底の霊界のイメージがありますが、

地底にあった失われたムーもあらわしています」

  

「神の道」は木道の遊歩道として整備され、

両側が松並木になった500メートルほどの距離を気持ちよく歩いていけます。

 

三保半島は駿河湾に突き出た形の砂嘴(さし)になっていますが、

もともとは島だったということです。

安倍川から運ばれた土砂や有度山の崩落の砂礫が堆積して、

陸地とつながったという話です。

それも、江戸時代に島から半島になったというのですから、わりと最近の話ですね。

 

三保の松原の海辺から雄大な富士山が遥拝できます。

三保の松原と富士山はセットです。

蓬莱山(富士山)と人間の世界を結びつける架け橋のような存在が、

三保の松原であると昔の人は考えたようです。

 

そして、三保の松原といえば「天女伝説」が有名です。

富士山が近いので、天女が降りてきやすいわけです。

 

天女が羽衣をかけていたのが「羽衣の松」とされ、現在は3代目の松になっています。

 

伝説では、1本の松に美しい羽衣がかかっていたのを、

漁師の男がみつけて、持ち帰ろうとします。

天女が、「それは天人の羽衣だから返してほしい」と懇願し、

天上の舞を披露するかわりに、羽衣を返してもらい、天女は天へと帰っていきます。

 

世界各地に、似たような天女伝説があるというのが興味深いですね。

 

山田の話です。

「富士山のコノハナサクヤヒメノ大神さまは天女神族です。

伊豆国一の宮・伊古奈比咩命神社のイコナヒメノ大神さま、

御穂神社のミホツヒメノ大神さま、

遠江国一の宮・事任八幡宮のコトノマチヒメノ大神さまも天女神族であり、

富士山の近くには天女神族が多いことがわかります。

 

富士山のような霊山には鳳凰だけでなく、天女も舞い降りるのです。

天女神族の復権が、大自然と調和し平和な“鳳凰の時代”の早期到来には必要不可欠です」

三保の松原から富士山を遠望する
三保の松原から富士山を遠望する

 

神の道の沿道にある民家の食事処で昼食をとって、

次に向かったのは草薙神社です。

 

静岡といえばヤマトタケル伝説の地です。

草薙神社はヤマトタケルノ尊を祭る、創建1900年という由緒ある神社です。

「くさなぎ」という地名も、ヤマトタケルノ尊が神剣・クサナギノ剣で野火を払い、難を逃れた伝説に由来します。

 

神社入り口にはヤマトタケルノ尊のご神像が立ち、

境内に樹齢千年を超えるという大クスのご神木があります。

 

本当はゆっくりごあいさつし、拝観したかったのですが、

レンタカーの返却時間が迫っていたので、大急ぎでの参拝となりました。

 

その後、静岡駅でレンタカーを返却し、新幹線で帰路につきました。

 

今回の旅で、静岡県は「コノハナサクヤヒメノ大神さま、コトノマチヒメノ大神さま、ミホツヒメノ大神さま、イコナヒメノ大神さま」など、女神さま方の聖地ということを認識しました。

ある意味、天女神族と出会う旅でした。

 

素晴らしい女神さま方にご開運、ご活躍いただくため、

次回の7月講座にご来臨いただこうということになりましたので、お楽しみに!

  

静岡編の旅日記、長くなりましたが最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

 

草薙神社のヤマトタケルノ尊神像
草薙神社のヤマトタケルノ尊神像