お不動様の修復と落慶式の話〔前編〕

 

わが家にお不動さまをお迎えしてから数カ月たったころ、

ふと気づくと、黒塗りのおなかの表面の一部がはがれ落ちて、木肌が見えていました。

 

上からちょっと黒く塗れば目立たないかなと思ったのですが、

古い木像なのでこれからも劣化が進むだろうし、どうしようか思案していました。

 

それで、4月に私の鎮守の大神さまからメッセージをいただいた際に、

懸案だったお不動さまの修復について、お不動さまにご意向をうかがってみました。

 

私「お不動さまの表面がはがれているのは、やはり修理したほうがよいで…」

 

言い終わらないうちに(食い気味に)、

《修理したほうがよい。修理してくれ!》と…… (^^;)。

 

「待ってました!」という感じです。

私たちが言い出すまでは、ご自分からは遠慮されているのです。

 

なにせ、祖父の時代から100年近く経過しているので、

色褪せ、劣化が進み、お持ち物も貧弱になっていました。

 

お不動さまもリフレッシュしたいみたいです。

 

《修復したほうが、もっと活躍できるから》

というお言葉が決め手になり、修復することになりました。

 

お住まいであるお厨子は新しくしたものの、本体は古びてみすぼらしかったわけです。

今まで遠慮されていたことに、申し訳ない気持ちになりました。

 

それで、修復してくれる業者をネットでさがして、3つほど候補を決めました。

 

お不動さまにお聞きすると、《この業者がよいだろう》ということで、2つの業者を選ばれました。

 

ひとつはお厨子を購入した遠方の業者で、もうひとつは市内の工房でした。

自宅のごく近所に仏像修復もしている工房があったのです。

 

それで5月の連休明けに、近所の業者に問い合わせてみると、

早速1時間後に見積もりに来てくれました。

 

仏師さんによれば、全体をバラして、洗って、塗り直し、

剣や羂索などの小道具を新たに作り直したりして、再生させるそうです。

それで今後数十年から100年は大丈夫だということでした。

 

翌日、山田が見積もりと修復イメージの画像をお見せし、お不動さまに了解いただきました。

 

あれから2か月以上たって、7月末に業者が納品に来ました。

 

修復を終えたお不動さまは見違えるほど立派になられていました。

 

最初の印象は、「黒い…」と思ったのですが、本来黒塗りのお姿だったのが、

だいぶ色褪せてきていたようです。

 

不動明王さまのミタマは修復の間はお像から離れていたので、

山田が原則界の光のマニ宝珠の大神さまを入れ、

警蹕をかけて、真言を称え、再び不動明王さまに宿っていただきました。

 

新しいお不動さまは金色で装飾された袈裟をまとわれ、

全体にゴージャスで若々しくなられていました。

 

降魔の剣は大きく立派になり、羂索には新たに法具も付いています。

頭に乗っているのは「蓮の花」という話でした。

 

光背の迦楼羅(かるら)炎の色が鮮やかで立体的になり、鳥の姿、くちばしが明瞭になっています。

修復によって、以前はぼやけてしまっていた細かい部分がクリアになり、

本来の姿に戻ってパワーアップされたようです。

 

2日後に、修復を祝ってお不動さまの「落慶式」として行いました。

(落慶とは、寺社などの新築、修理の完成を祝うことです)

 

まず、不動明王さまのご開運をお祈りし、真言を称えました。

「おかげ様で、ありがとうございます。

宇宙の大いなる意志、大調和に基づく天命もちて、

とってもありがたいわが家の不動明王さまの一霊四魂の

いやますますのご開運をお祈り申し上げます」

 

そして、山田が笏を使って「超次元世界の尊星王帝柱さま、偉大なる太元の大光明さま」の光をさしあげました。

これにより、さらに不動明王さまはパワーアップされました。

 

修復された不動明王さま
修復された不動明王さま