銚子旅行余話・失われた椿海の話

 

前回まで銚子旅行(前編後編)の話を書きましたが、

ご感想をいただきましたので紹介させていただきます。

 

「ブログに書かれていました銚子市の地球の丸く見える丘展望台には、

約10年位前に家族で行った事があります。

当日は天候に恵まれ、その上観光客も少なかったので絶景を充分に堪能できました。

とても気持がよく、清々しかった記憶がよみがえりました」

 

「詳細な情景描写に、 先生の豪華解説、

おもしろい注釈(UFO、涼しいと聞いたのに埼玉と変わりません  笑)付きで、

まるで 動画を拝見しているようです。

猿田神社、 地球が丸く見える丘展望台、行ってみたいです」

 

「銚子に行かれた記事も参考になりました。

記事にある神社と展望台には、私も行った事があります」

 

「ブログに出ていた銚港神社は10年前に参拝してから、毎年しめ縄を奉納させていただいています」

  

ブログで神社仏閣・聖地をご紹介することで、皆さまにも興味をもっていただいたり、

神仏のご開運にもつながれば、たいへんありがたくうれしいことです。

 

私自身、旅行や参拝をきっかけに歴史や由来を学んだり、

神仏に対する認識を新たにすることも多いのです。

 

 

さて、銚子旅行の“余話”です。

 

銚子の近くにある旭市を通る時に、「干潟」という地名があり、

「内陸なのに干潟?」と不思議に思っていました。

 

帰宅後に調べてみると、この地域は昔、

「椿海(つばきのうみ)」という広大な湖が広がっていたというのです。

 

現在の千葉県旭市、匝瑳(そうさ)市、東庄町にまたがり、

東西12キロメートル、南北6キロメートルで、

山手線の内側に相当する広さで、「幻の湖」と言われています。

 

この湖が江戸時代にすべて埋め立てられていたのです。

(初めて知りました…)

 

現在はどこまでも広がる豊かな田園地帯(干潟八万石と呼ばれる)になっています。

 

猿田神社(銚子市猿田町)に伝わる椿海の伝承をご紹介します。

 

「遠い昔、猿田彦命が椿の苗木を植えると、とてつもない大きさに成長した。

 海上(うなかみ)、匝瑳、香取の三郡の空一面をおおうように広がった枝葉で、

春になるとみごとな花が咲き、散れば地面は錦を敷いたような美しさになった。

 

ところが、この巨木に鬼満国(おにみつくに)という国の鬼の魔王が住みついて、

自分の国にしようと狙っていた。

 

そこで猿田彦命は香取のフツヌシノ命、 鹿島のタケミカヅチノ命の力をかりて、魔王を退治することにした。

 

二神は魔王に戦いを挑んで、 天の鹿島弓という力の強い弓に、

天の羽々矢(ははや)という羽の広い大きな矢をつがえ、 魔王めがけて射った。

 

不意をつかれた魔王は、椿の木を抱え込んでわさわさと揺すった。

木が動くたびに、 天と地が引っくり返りそうに揺れた。

 

香取、鹿島の神が天の羽々矢を打ち続けたところ、

魔王はたまらず椿の木を根こそぎ引っくり返して、 東の海へ飛び去ってしまった。

 

椿の木が抜けた跡に水が溜まり、 大きな湖となった。

それが椿の湖(うみ)と言われるようになった」

 

ちなみに、この椿の木が倒れた方向によって、

上の方を上総(かずさ)、 下の方を下総(しもふさ)と呼ぶようになったという伝承です。

 

上総・下総という地名の由来は、この伝承にあるのですね。

千葉県の歴史にサルタヒコノ大神さまも関わっていたとは、初めて知りました。

 

“椿”といえば、サルタヒコノ大神さまです。

鈴鹿市の伊勢国一の宮・椿大神社(つばきおおかみのやしろ)、

同じく伊勢国一の宮・都波岐奈加等(つばきなかと)神社の主祭神もサルタヒコノ大神さまです。

 

この“ツバキ”というのはツボケに通じており、

ツボケノ大神威(オオカムイ)さまに由来する、という神さまのお話でした。

(ツボケノ大神威はアラハバキノ大神威と対になる偉大な原初のオオカムイです)

 

さらにいえば、香取神宮のあたりは古代、

大規模な内海「香取海(かとりのうみ)」が広がっていたのです。

 

縄文海進で海水が流入して内海がつくられ、

霞ケ浦、多賀沼、印旛沼までつながり、海上交通が盛んでした。

(親鸞上人もこの水運を利用して、鹿島神宮や銚子へ行ったわけです)

 

香取海に面して重要なポイントに、

香取神宮、鹿島神宮、側高神社、大戸神社などの古社が鎮座しています。

 

現在までに内海の多くが埋め立てられ、湖沼は縮小したり消失してしまったわけです。

おそらく多くの龍神さまやご存在が埋没したり、よそに移られたりしたのだと思います。

 

山田の話です。

「埼玉県にも見沼という広大な沼がありましたが、

江戸時代の徳川吉宗が行った享保の改革の際、新田開発のために埋め立てられました。

 

その時、龍神さまが埋め立ての中止を夢枕で訴えましたが、

聞き入られず、埋め立てられました。

 

以前のご開運神業で、見沼に埋没していた龍神さまやご存在たちを救済したことがあります。

千葉県の椿海や香取海にも、龍神さま方や精霊たちが埋没しているようです」

  

そこまで知ってしまったら、このまま見過ごすわけにもいきません。

 

ちょうど! 28日の講座で久しぶりに「精霊界のご開運」も行うから、

その時に椿海一帯のご開運も行ったらいいのではないか、となりました。

 

そういういきさつで、昨日28日の講座では、

「失われた椿海・香取海」一帯に埋没したご存在の救済神事も行ったわけです。

  

※この結果については、メルマガにてお知らせしています。

 

猿田彦大神の総本宮・伊勢国一の宮椿大神社(鈴鹿市)
猿田彦大神の総本宮・伊勢国一の宮椿大神社(鈴鹿市)